10Gbpsでコスパ最強⁉TerraMaster D5Hybrid実機レビュー‼
HDDとSSDを格納することができる家庭用ストレージ。今回は、HDD の大容量と SSD の高速パフォーマンスの利点を同時に兼ね備えている業界初のハイブリッド直接接続ディスク エンクロージャ「TerraMaster D5Hybrid」の実機レビューをしていきます。
今回はTEKUNOTES初となるTerraMaster様からの提供により、「D5 Hybrid」をご紹介!
TerraMasterってどんな会社?
TerraMasterはストレージ関連製品を中心に世界40ヶ国以上でシェアを広げている中国広東省の企業です。日本でも数年前のGoogleフォト無制限の終了や、在宅ワークの増加に伴い、ネットワークストレージや拡張ストレージの必要性が高まってきました。そんな中、SynologyやQNAPと肩を並べるのがこちらの会社。本格的なビジネス向け大型ストレージから家庭向けの小規模ストレージまで、ニーズに合わせた様々なスペックの商品を展開しています。
今回紹介するTerraMaster「D5 Hybrid」は家庭向けのストレージで、様々なデータが日々大型化する現代の流れに伴い、どんどん活用できるシーンが増えると予想されます。ただ、このようなストレージ製品は、前述の通り多くの企業が進出しており、様々な製品にありふれ、どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。だからこそ、今回は特徴的な機能にフォーカスして、ご紹介していきます。
D5 Hybridの特徴と、他社製品との違い
TerraMaster社の「D5 Hybrid」の持つ特徴は、SSDとHDDを効率的に組み合せることで高コスパと動作の高速化の両立を図っている点にあります。TerraMaster社によれば、D5 Hybridの持つ、この直接接続型ハイブリッドディスクエンクロージャという構造は業界初の革新的な技術のようです。この構造に対応した最大2個のSATA HDD/SSDと3個のM.2 2280 NVMe SSDスロットによってHDDの大容量かつ低価格な点とSSDの超高速かつデータ保管の安全性の高さを兼ね備えています。
具体的に、この構造の仕組みと恩恵について触れると、頻繫にアクセスするデータをSSDに、あまりアクセスしない大量の過去のデータなどをHDDに分けて保存することで、SSDの高速性とHDDの低価格で大容量というメリットを同時に享受できるということです。さらに、TerraMaster社では無料のバックアップソフトウェア「TPC Backupper」を提供しており、このソフトウェアと製品を組み合わせて利用することで、自動バックアップをスケジューリングできるため、万が一の事態に備えることが可能です。
TPC BackupperはWindowsに対応したソフトウェアです。
Macをご使用の人はバックアップ用のフリーソフトウェアなどを用いることで代替可能です‼
D5 Hybridはコスパ最強かも⁉
D5 Hybridは拡張性にも優れており、個人家庭での使用はもちろん、小中規模ビジネスの用途にも対応可能です。日々パソコンで頻繁に使用するデータや、めったに見ることはないけれど大切な写真のデータなど、万が一の事態に備えて自動バックアップを組んでおくことでいつも使っているパソコンから自動的にデータを複製し保管することが可能です。さらにRAIDシステムの構築にも標準対応しているため、大切なデータを様々なリスクから守ることが可能です。もしRAID1を使用する場合には、全体のHDD容量の2分の1が実際に使うことのできるストレージサイズとなる代わりに、HDDではまれに起こってしまうことのある読み取りエラーなどが片方のディスクで発生しても、同じデータがもう片方のディスクに保存されるため、データを救出することができます。では、その拡張性と安全性の高さについて、詳しく見ていきましょう。
Hybrid D5にはUSB3.2 Gen2に対応したポートがあり、最大10Gbpsの高いデータ転送帯域幅を誇ります。M.2 SSDを使用した読み出し速度は最大980MB/s、SATA SSDでは最大960MB/s、HDDでも実際の読み出し速度が521MB/sに達します。(環境により多少の前後は考えられます)
また、D5 HybridはUSB Type-Cポートを通して、USB 3.0・USB 3.1・USB 3.2・USB4、Thunderbolt 3、Thunderbolt 4などと互換性を持っています。そして、USB Type-Cケーブル(1m)が付属しているため、届いたその日からPCとの高速なデータのやり取りを行うことが可能です。
Terramaster社の検証済み対応OSに関してはWindows 7以降、macOS X 10.6以降、Linux Ubuntu 16/18/20です。特に、Windowsとの連携機能として、自動スリープON/OFF機能がついており節電対策にもなります。
実際の製品イメージ
製品の箱はいたってシンプルなTerraMaster社のロゴ付きのコンパクトなものでした。
ストレージケースと聞いて予想するサイズよりも小さめでした。
同梱品は以下の通りです。
- D5 Hybrid 本体
- 電源ケーブル
- USB Type-Cケーブル()
- 簡易的な取扱説明書(詳細はHP上)
- 容量や使用時期記録用シール
- SSD取付用ネジ
- RAIDモード切り替え用ドライバー
本体はHDDとSSDのマウンター、その他メモリなどで構成されており、シンプルな作りとなっています。サイズ感的にも少し大きめのWi-Fiルーターぐらいのサイズなため、ご家庭での使用の際にもスペースを取りすぎることなく、データストレージを構築可能です。
実際の製品のイメージ画像は以下の通りです。
側面のデザインはTerraMaster社のロゴを模って作られた吸気口があるのみで、ケーブル類の差込口はすべて背面に設置されています。上の写真からわかるように、ファンの排気口も背面に設置されており、高い電力消費を必要とするタスクを処理する際には暖かい空気が中から大型の切り抜きを通して出てくるようになっているので、筆者の環境で通常通り利用をしていても排熱がネックになって動作が遅くなることはありませんでした。また、排気自体も緩やかなので、コンパクトな本体を場所を選ばずに設置することができそうです。
D5 Hybridは、一般使用に最低限の機能が組み込まれていると言えます。しかしながら、USBポートが1つしかない点や有線LANポートがない点など、DASとしての必要最低限の機能に限られているため、本格的に写真の保存をしたり、多くの家族との共同利用で同時アクセスをしたい方にはあまりお勧めできないかもしれません。しかし、その分かなりコストパフォーマンスに優れた製品になっているので、データをバックアップできれば十分という方にはかなりお勧めできる製品です。
おすすめの使用方法
D5 Hybridを利用するうえで、おすすめの構成は、大容量のHDD数枚と最低限のSSD数枚を組み合わせる方法です。近年、HDDは比較的安価に手に入るため、HDDでRAIDを組み、よく利用するファイルだけをSSDで保存することで、高いコストパフォーマンスで快適な環境を作成することができるかもしれません。
また、今回紹介したD5 HybridはDAS(ダイレクト・アタッチド・ストレージ)と呼ばれるジャンルのストレージであり、複数台のPCから常時バックアップを取るようにしたい場合などは、HDDを買う際にも耐久性を重視した製品選びをすることが大切です。HDDの代替として、3.5インチSSDを本体にマウントして速度重視のストレージとして利用することも可能なので、必要次第でスペックをカスタマイズできるのも、D5 Hybridの便利なところといえるかもしれません。
おすすめのHDDとSSDはこちらから⇊
まとめ
D5 Hybridは、データ管理において高速性と大容量を両立させたいユーザーにとってもおすすめの製品です!特に、以下のような人に向いていると考えます。
- データを頻繁に利用するユーザー: 頻繁にアクセスするデータはSSDに保存し、過去のデータなどあまりアクセスしないものはHDDに保存することで、高速性と大容量性という二つのメリットを同時に享受できます。
- バックアップを重視するユーザー: 無料のバックアップソフトウェア「TPC Backupper」を利用することで、自動バックアップをスケジューリングしてデータを安全に管理できます。
- 小中規模ビジネスユーザー: 拡張性に優れており、個人家庭から小中規模のビジネスまで幅広い用途に対応しています。また、RAIDシステムの構築にも対応しているため、重要なデータを守ることができます。
- コストパフォーマンスを重視するユーザー: 高速性と大容量を両立させながらも、コストを抑えたいユーザーに。大容量のHDDと最低限のSSDを組み合わせることで、コスト効率良く環境を構築することが可能です。
D5 Hybridは、高速性と大容量を両立させたダイレクトストレージです。SSDとHDDを効率的に組み合わせることで、データの頻繁なアクセスと大量のデータ保存を同時に実現します。無料のバックアップソフトウェア「TPC Backupper」を用いることで安全なデータ管理をサポートするうえ、拡張性に優れているため、小中規模のビジネスや個人ユーザーに適しています。コスパの良い製品なので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
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