【レビュー】TANCHJIM NORA:透明感のあるボーカルが気持ちいい、TANCHJIMらしい美音イヤホン

皆さんこんにちは。今回は私がレビューさせていただくのは初となるメーカー、TANCHJIM のイヤホンのレビューとなります。TANCHJIMについてですが、多くのメーカーが軒を連ねる中華イヤホンメーカーのなかでもひときわ、洗練された美しいデザインと、独自の音響工学に基づいた極めて完成度の高いサウンドチューニングで絶大な人気を誇る実力派メーカーです。
ただ派手な音を鳴らす物量作戦とは一線を画し、まるで精密に設計された工芸品のようなビルドクオリティと、美しく澄んだ中高域、とりわけボーカルの表現力において、数々のオーディオマニアからも一目置かれる存在となっています。
そんなTANCHJIMですが、約15,000円前後の価格帯でリリースされた1DD構成の有線イヤホンが、今回ご紹介する「NORA(ノーラ)」です。上位モデル譲りの技術を惜しみなく投入しつつ、モニター用途にも耐えうる忠実な設計がなされている注目のモデルとなっています、その魅力をじっくりと掘り下げていきたいと思います。
なお、今回は、テクノーツでは初となる TANCHJIM JAPAN様(https://x.com/TANCHJIM_JAPAN?s=20)より商品をご提供頂きました。また、今回のレビュー記事に関して、製品提供以外の金銭の授受や内容に関する指示などは一切ございません。レビュー記事の内容に関しては、忖度抜きの完全に私が感じたままの印象をレビューしています。
重ねて今回の TANCHJIM NORA では、あえて組み合わせ別での評価をしておりません。メーカーの意図する音、チューニングがモニターライクな音というのも理由ですが、一番の理由としては、付属品の品質がしっかりと担保されている点、付属品にもしっかりとコストがかけられていると感じたためになります。以上の理由から今回は組み合わせ別評価を省略しております。
今回、周波数別の評価の項目に新たにAIにて生成した画像を挿入しております。なお、画像以外にはAIは使用しておりません。(推敲作業や誤字発見作業などに使う場合があります。)試験的に導入しているため、皆様のご意見を聞かせていただけると嬉しいです。
TANCHJIM NORA のレビューまとめ!
TANCHJIM NORA 【アンダー1.5万円評価軸】

TANCHJIM NORA のカタログスペックを見ていこう!








| 項目 | スペック詳細 |
| 製品名 | TANCHJIM NORA |
| ドライバー構成 | 1DD |
| ドライバー構成詳細 | 第5世代独自ダイナミックドライバー「DMT5」 1基(PUエッジ+DLCドーム複合振動板) |
| インピーダンス | 16Ω |
| 感度 | 125dB |
| 応答周波数 | 2Hz ~ 48KHz |
| 筐体素材 | ポリカーボネート樹脂+サファイアガラスフェイスプレート+金属リム |
| ケーブル材質 | Litz構造の純度線材無酸素銅(OFC)銀メッキ |
| コネクタ | 0.78mm 2pin |
| プラグ | 3.5mm / 4.4mm(交換式プラグ) |
| 価格 | 15,000円前後 |
本機 TANCHJIM NORA は、TANCHJIMの中では比較的エントリーモデルにあたる製品となっていますが、だからといって手を抜いているわけではなく、本気で開発された製品だといったエンジニアの並々ならぬ情熱をひしひしと感じますね。個人的には、TANCHJIM には水月雨や日本メーカーの Final に似た開発思想を感じています。イヤホンのコンセプトとしては、プロフェッショナル向けモニター用途のIEM(インイヤーモニター)というのが謳われています。
さて、カタログスペックのお話に戻しまして…ドライバー構成は定番中の定番ともいえる ダイナミックドライバー 1基のみの構成となっております。今までの TANCHJIM 製品でも基本的には 1DD構成のものが多い印象なので、ここはTANCHJIMらしいです。
TANCHJIM は自社でダイナミックドライバーを独自に開発されているようで、DMT との名称がつけられています。DMTの後には世代を表す数字や立ち位置を示す単語が入っており、今作 TANCHJIM NORA に採用されている”DMT5″は名称の通り、5世代目のダイナミックドライバーとなるようです。モニターイヤホンを謳う本機ではどういった鳴りに仕上げられているのか気になりますね。
イヤホンのインピーダンス(抵抗)に関しては、16Ωと非常に低インピーダンスで鳴らしやすい部類に入ります。スマートフォンなどでも十分に運用できるでしょう。
感度に関しても、125dBとスマートフォンなどでも十分に鳴らしきれるほどの高い感度となっており、安心です。インピーダンスは32Ω以上、感度は体感 100dBを切ってくると徐々にDAPやDACなどの専用機器が必須となってくる印象ですね。まあ、専用機器での再生がイヤホン本来の性能を一番引き出してくれるのは間違いないんですが…(笑)
再生可能な周波数帯域としては、2Hzから48KHzまでとアホ広いです。1DD構成でここまで周波数帯域の広いイヤホンは初めてみたレベルです(;’∀’)。一般的なイヤホンですと20Hzから20kHzのものが大半ですので。
イヤホン筐体の素材としては、この価格帯のイヤホンではかなり珍しいサファイアガラスにポリカーボネートと金属(アルミ?)を組み合わせたものになっています。正直サファイアガラスと金属リムの質感が良すぎてこの価格帯のイヤホンには到底思えないですね。工芸品レベルで美しいビルドクオリティーです。かといってそこまで重量感もないので本当にちょうどいい塩梅で高級感と軽量性を実現している印象でした。
イヤホンに付属する線材の素材としては、Litz構造の純度線材無酸素銅(OFC)銀メッキとなっていて、表面積を増やして、線間抵抗を抑え信号のロスが抑えられており、なおかつ、やわらかく、取り回しの良い上質なケーブルとなっています。また、プラグ部の交換にも対応しており、3.5mm アンバランス、4.4mm バランス接続両者の交換用プラグも付属しています。スマートフォン直挿しでも良し、本格的なオーディオ再生機器にバランス接続するも良し…とどなたでも困らない仕様になっています。
イヤホン本体の接続コネクタとしては 埋め込み型の0.78mm 2pinとなっており、TANCHJIM特有の仕様なのかピンの長さが通常のものと比較してかなり長めのものになっています。付属しているケーブルをほかのイヤホンに使う際は注意が必要でしょう。
TANCHJIM NORA をいざ開封!

TANCHJIM NORA のパッケージをいよいよ開封していきます!(なんか写真が汚いのはご愛敬)
パッケージ正面には、TANCHJIM のマスコットキャラクター?の「浅野 てんき」さんが描かれており、盛大にお出迎えしてくれます。メーカーの愛を感じますね。癒されますぜ…


パッケージを横に引き出してみるとさらに箱が…マトリョーシカ…?きちんとした箱が出てきたので開けていきます。うちの説明書などが入った小箱?を引き出すといよいよ…?


キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
改めてTANCHJIM NORA とご対面です!!写真からもわかるように、フェイスプレートのサファイアガラスと金属リムデザインが非常に美しく、高級感を醸し出してくれます!!もううっつくしい!!(笑)
さらに内箱を引き出すと非常に美しく柔らかくて取り回しの良いケーブルも出てきました!もう最高です(笑)
パッケージの開封はここまでですね。ここからは付属品の確認に移ります!
TANCHJIM NORA の付属品は?

TANCHJIM NORA の付属品はこんな感じ。イヤホン本体にケーブル、ケーブル用の交換プラグ(3.5mm、4.4mm)、イヤーピース(2種類、3サイズ)、布製ポーチ、説明書や保証書などが付属していました!(写真の画質が微妙かつ、適当めなのはお許しを…)
付属品としては豪華目なパッケージになりますね。イヤーピースは、ノズル径が広いものと狭いものの2種類となっていました。
ノズル径が広いものは、狭いものに比べて明瞭度が高く、ボーカルがより映える印象です。ノズル径が狭いものは、それとは対極に若干低域の主張が増え、若干楽器にフォーカスが傾く印象です。両者どちらでもそこまで大きくは印象は変わりませんが…
個人的には、同社の TANCHJIM T-APB イヤーピースを付属させて欲しかったところですが、さすがにコスト的に厳しいんですかね…(;’∀’)
交換用プラグに関しては、同社の上位機種、TANCHJIM FORA に付属していた Type-Cプラグが付属していませんでしたが、ここは本機の製品コンセプト的にもオミットされた点なのでしょうね。
TANCHJIM NORA の本体デザイン、装着感は?


TANCHJIM NORA のデザインは、サファイアガラスに金属リムで縁取りされた比較的シンプルなデザインを採用しており、サファイアガラス特有の艶感と、金属リムの硬質な質感が組み合わさることで、派手すぎないながらも高級感のある外観に仕上がっています。
全体的なデザインは、装飾を盛りすぎるタイプではなく、光の当たり方によってフェイスプレートの表情が変わる落ち着いた方向性です。いかにも中華イヤホンらしいギラついたデザインというよりは、TANCHJIMらしい清潔感と上品さを重視した印象で、普段使いでも浮きにくい見た目だと感じますね。
また、ステンレス製?の金属リムによって輪郭がしっかり引き締まって見えるため、本体サイズ以上に精密感があります。サファイアガラスの滑らかな表面も相まって、手に取ったときの質感はかなり良好です。オールレジン筐体も良いですが、こういった金属とガラスの調和のとれたデザインも素晴らしいものです!
一方で、デザイン自体はかなりシンプルなので、派手なフェイスプレートや個性的な柄を求める人にはやや控えめに感じるかもしれません。ただし、長く使っても飽きにくいデザインという意味では非常に優秀で、NORAの透明感のある音作りとも相性の良い外観だと思います。
加えて、イヤホン本体のサイズ感もかなりコンパクトで、個人的にかなり装着感は良好だと感じました。ただし、イヤホンの裏面、耳に直接触れる部分はシンプルな造形で、耳の形状に追従してくるタイプではありません。
また、本体が片耳 約6.0g とかなり軽量な点も装着感の良さに一役買っています。耳に乗っている感覚が強すぎず、装着時の負担が少ないため、長時間の使用でも疲れにくい印象です。
NORAはイヤホン本体の形状で耳にがっちり固定するというより、本体の小ささと軽さ、そしてイヤーピースの密閉感によって自然に収まるタイプの装着感です。そのため、装着感や安定感はイヤーピースとの相性にかなり左右される印象です。
標準で装着されているイヤーピースで違和感がある場合は、付属しているもう一種類のイヤーピースを試してみるのがおすすめです。それでも密閉感やフィット感が合わない場合は、他社製イヤーピースへの交換も検討すると良いと思います。
特にNORAは本体がコンパクトかつ軽量なぶん、耳への圧迫感はかなり少なめです。一方で、イヤーピース側でしっかり支えることが装着感に大きく影響するため、自分の耳に合うイヤーピースを選ぶことで、より快適に使いやすくなる印象です。
TANCHJIM NORA の試聴環境
■ 試聴環境システム・ケーブル
付属ケーブル 3.5mm / 4.4mm プラグ交換式ケーブル
イヤーピース:付属品(2種類のうち、今回は、ノズル径が狭いものを使用)
使用スマートフォン:Google Pixel 7 Pro、Zenfone 11 Ultra、Xperia 5 Ⅳ(Type-C DAC / 変換アダプター経由)
使用ソフト/ドライバー:Apple Music (Android)、HFPlayer(Android版)TuneBrowser(Windows 11版)、HiBy USB Audio Device Control Panel(New Hiby R6用)、iBassoUSBAudio Control Panel(iBasso DX170用)
使用DAP/DAC:New HiBy R6 (3.5mm / 4.4mm)、iBasso DX170、iBasso DC04 Pro、CVJ LILA
NORAは付属ケーブルが3.5mm / 4.4mmのプラグ交換式になっているため、スマートフォン直挿しというよりは、Type-C DACやDAPと組み合わせての使用を中心に試聴しました。特にHiBy R6 IIの4.4mmバランス接続では、NORAの透明感や音場の広がり、ボーカルの見通しの良さがより分かりやすく感じられました。
また、イヤーピースは基本的にノズル径が細い方の付属品を使用しています。NORAは本体がコンパクトかつ軽量で装着感は良好ですが、装着の安定感や密閉感はイヤーピースとの相性にかなり左右されるため、違和感がある場合は付属の別タイプ、もしくは他社製イヤーピースへの交換もおすすめです。
音質評価・特徴チャートについて / 周波数バランス評価基準
音質評価・特徴チャートについてですが、各周波数帯域別の “質” と “量感” を評価しています。イヤホン別の周波数バランスの聴感イメージとしての評価に関しては、周波数バランスグラフでの評価となっております。周波数バランスの基準機としては以下の説明をご覧ください。
周波数バランスの評価基準として、スタジオモニターヘッドホンである「SENNHEISER HD 490 Pro」を基準として評価しています。なお、記載こそしておりませんでしたが、今までの周波数バランスグラフ評価に関しては、基準に “全て” 当ヘッドホンを使用しております。
いよいよ TANCHJIM NORA の音質を聴いていく!
🎧 音質・特徴チャート(アンダー1.5万円)
📊 周波数バランス
いよいよ TANCHJIM NORA の音質を聴いていきます。
今回の TANCHJIM NORA は、製品コンセプトであるモニターライクどおりの印象を受ける一方で、高域に若干の TANCHJIM らしさを感じる煌めきを持たせた、ニュートラル寄りのサウンドに仕上がっていると感じました。
全体的な音質評価
全体のバランスとしては、過度に低音を盛ったドンシャリ系ではなく、低音から高音まで大きなクセを感じにくい整ったチューニングです。
NORAは多くのイヤホンにありがちな「派手に鳴らして一聴して分かりやすい迫力を出す」分かりやすく楽しい音というよりも、各帯域を丁寧に整えて、音の見通しや自然さを重視したタイプだと感じます。特に中音域の扱いが上手く、ボーカルを中心に楽曲を聴かせながらも、低音や高音が過度に主張しないため、全体としてかなりバランスの良い印象です。
ただし、完全に無機質なモニターサウンドというわけではありません。低音にはわずかに厚みがあり、中高域から高域にかけては軽い抜け感と煌めきが加えられています。そのため、音の基調はニュートラルながらも、聴いていて淡白になりすぎない絶妙な塩梅になっています。
特にアンダー1.5万円クラスとして見ると、チューニングの完成度はかなり高めです。低音・中音・高音のつながりが自然で、どこか一部分だけが極端に目立つというより、全体のまとまりで勝負しているイヤホンだと感じました。
低音域

低音域は、量感で強く押してくるタイプではありませんが、楽曲の土台をしっかり支える程度の厚みがあります。
重低音を過度に強調するタイプではないため、EDMやロックで腹に響くような迫力を求める人には、少し大人しめに感じるかもしれません。ただし、低音が不足しているというよりは、あくまでニュートラルバランスを崩さない範囲で整えられている印象です。
低音の質感としては、膨らみすぎず、比較的タイトで見通しの良い鳴り方です。中低域が過度に厚くならないため、ボーカル帯域を邪魔しにくく、音全体が濁りにくい点はかなり好印象でした。
ベースラインも過度に前へ出るわけではありませんが、存在感自体はしっかりあります。沈み込みの深さで圧倒するタイプではないものの、音の輪郭が分かりやすく、リズムの取りやすさも十分です。
NORAの低音は、迫力重視というよりは、全体のバランスを支えるための低音です。強い低音を期待するとやや控えめに感じる可能性はありますが、モニターライクな方向性を考えると、かなり自然で扱いやすい低域だと思います。
中音域(ボーカル)

中音域は、NORAの中でも特に好印象な部分です。
ボーカルは極端に近すぎず、かといって楽器に埋もれることもなく、楽曲の中心に自然に配置されます。前にグッと押し出してくるタイプではありませんが、輪郭がしっかりしているため、声の存在感はかなり分かりやすいです。
特に女性ボーカルとの相性は良く、透明感や息遣いが自然に出てくれます。声の線が細くなりすぎることも少なく、かといって厚みを盛りすぎて重たくなることもないため、かなり聴きやすいバランスです。
男性ボーカルについても、中低域が過度に膨らまないおかげで、声の輪郭がぼやけにくいです。濃厚でウォームな鳴り方というよりは、すっきりと見通しの良い表現で、ボーカルの位置や質感を素直に聴かせてくれる印象です。
また、ギターやピアノなどの楽器もボーカルの邪魔をせず、自然に配置されます。中音域に変な癖が少ないため、ポップス、アニソン、アコースティック系など、ボーカル主体の楽曲ではかなり安定して使いやすいと感じました。
高音域

高音域は、TANCHJIMらしい透明感と軽い煌めきがあります。
刺さりを強く感じさせるような鋭い高音ではなく、音の輪郭や空気感を自然に出してくれるタイプです。シンバルや弦楽器の余韻も綺麗に伸び、NORAの上品な印象を作っている部分だと感じました。
高音はしっかり出ていますが、過度にキラキラさせて派手に聴かせる方向ではありません。あくまでニュートラルなバランスの中で、少しだけ抜け感を足しているような鳴り方です。そのため、高音が目立ちすぎてボーカルが細く感じたり、音全体が軽くなりすぎたりする印象は少なめです。
一方で、超高域まで派手に伸びるタイプではないため、強烈な空気感やキラキラ感を求める人には少し控えめに感じる可能性があります。とはいえ、アンダー1.5万円クラスとしては質感は十分に良く、刺さりにくさと透明感のバランスはかなり優秀です。
NORAの高音域は、刺激で聴かせるというより、音全体の見通しを良くするための高音です。モニターライクな整い方の中に、TANCHJIMらしい綺麗さをうまく乗せている印象でした。
解像度

解像度は、アンダー1.5万円クラスとしてはかなり優秀です。
音を過度に分解して見せる分析的なタイプではありませんが、ボーカルの細かなニュアンスや楽器の定位は十分に分かりやすいです。音数が増えても大きく潰れる感じは少なく、全体の見通しは良好です。
特にボーカル周りの細かい表現は得意で、声の立ち上がりや息遣い、音の余韻が自然に聴き取れます。解像度の高さを強引に見せつけるタイプではなく、あくまで音楽として聴きやすい範囲で、必要な情報量をしっかり出してくれるタイプです。
また、中低域を過度に盛っていないこともあり、音の分離感も良好です。低音が膨らんで中音域を覆うような感じが少ないため、楽器同士の距離感やボーカルの位置も分かりやすいです。
ただし、超高解像度系のイヤホンのように、細部をバキバキに描き出すタイプではありません。どちらかといえば、解像感と聴きやすさのバランスを取ったタイプで、長時間聴いていても疲れにくい解像度の出し方だと感じました。
音場表現

音場は、広大というより自然に広がるタイプです。
左右方向の広がりはしっかりあり、音が窮屈に感じる印象は受けませんでした。ボーカルを中心に、楽器がその周囲へ自然に配置されるため、平面的すぎる印象もあまりありません。
一方で、奥行きや立体感で圧倒するようなタイプではありません。ホール感を強く出したり、音が大きく外側へ広がっていくようなイヤホンではなく、あくまで自然な範囲で整った音場表現です。
NORAの場合、音場そのものの広さで勝負するというより、音の配置の分かりやすさや見通しの良さが魅力だと感じます。ボーカルの位置が分かりやすく、楽器も過度に密集しないため、ポップスやアニソンのようなボーカル中心の楽曲ではかなり聴きやすいです。
音場特化のイヤホンと比べると派手さはありませんが、ニュートラルバランスのイヤホンとしては十分に広く、自然な空間表現かつ、正確な定位を持っていると思います。定位が正確なので、ゲーミングイヤホンにも向いているかもしれませんね。
音質評価総評
総じて、TANCHJIM NORAはニュートラルバランスを基調にしながら、低音にわずかな厚み、中高域から高域にかけて軽い抜け感を加えた、非常に完成度の高いイヤホンです。
派手な音作りで一聴して分かりやすく驚かせるタイプではありませんが、ボーカルの自然さ、音の整い方、聴き疲れしにくさのバランスが良く、長く使いやすいサウンドに仕上がっています。
特に中音域の完成度は高く、ボーカルを自然に聴かせる力はこの価格帯でもかなり優秀です。低音や高音も過度に主張しすぎず、全体のバランスを崩さない範囲でしっかり存在感があります。
NORAは、強烈な低音や派手な高音を求める人向けというより、癖の少ないニュートラルな音、ボーカルの自然さ、見通しの良いサウンドを求める人にかなり向いているイヤホンだと感じました。アンダー1.5万円クラスでは、かなり完成度の高い一本だと思います。
TANCHJIM NORA に向いている音楽ジャンルは?

TANCHJIM NORAは、派手な低音や刺激的な高音で押し切るタイプではなく、ボーカルの自然さや全体の見通しの良さを重視したイヤホンなので、特にボーカル主体の楽曲との相性が良いと感じました。
まず相性が良いと感じたのは、J-POPやアニソン、女性ボーカル系の楽曲です。NORAは中音域の表現がかなり自然で、ボーカルが楽器に埋もれにくく、かといって不自然に前へ出すぎることもありません。声の輪郭や息遣い、余韻の出方が綺麗なので、歌声を中心に楽曲を楽しみたい人にはかなり向いていると思います。
特に、透明感のある女性ボーカルや、ピアノ・ストリングスを含むアニソン系の楽曲では、NORAの中高域の抜け感がかなり活きてきます。高音が刺さるほど強く出るわけではないため、明るめの楽曲でも聴き疲れしにくく、長時間じっくり聴きやすい印象です。
また、アコースティック系やバラードとの相性も良好です。ギターやピアノの音色が過度に派手にならず、ボーカルの邪魔をしない自然な位置に収まるため、楽曲全体の空気感を落ち着いて楽しめます。音数の少ない楽曲では、NORAのボーカル表現の丁寧さや余韻の自然さがより分かりやすいです。
シティポップや軽めのポップスとも相性は良いです。低音が過度に膨らまないため、ベースラインやドラムがボーカルを覆いにくく、全体的にすっきりとした見通しの良いサウンドで楽しめます。リズムの取りやすさも十分にありつつ、音が暑苦しくなりにくい点はNORAらしい魅力だと思います。
一方で、EDMやヒップホップ、ハードロックのように重低音の圧や迫力を強く求めるジャンルでは、少しおとなしめに感じる可能性があります。もちろん低音が不足しているわけではありませんが、腹に響くような重低音や強烈なビート感で押してくるタイプではないため、低音重視のイヤホンを求めている人にはやや物足りなく感じるかもしれません。
また、メタルや激しいロックのように音数が多く、勢いのある楽曲では、NORAの整ったバランスの良さは感じられるものの、荒々しい迫力や攻撃的な高音を楽しみたい人には少し優等生すぎる印象になるかもしれません。
総じて、TANCHJIM NORAはJ-POP、アニソン、女性ボーカル、アコースティック、バラード、シティポップのような、ボーカルや楽曲全体の自然なまとまりを重視するジャンルと相性が良いイヤホンだと感じました。反対に、重低音の圧や派手なドンシャリ感を求めるジャンルでは少し控えめに感じる可能性があります。
NORAは、音楽を刺激的に聴かせるというより、楽曲本来のバランスやボーカルの魅力を丁寧に引き出してくれるタイプのイヤホンです。お気に入りの歌声をじっくり楽しみたい人には、かなりハマる一本だと思います。
TANCHJIM NORAのレビューまとめ!
TANCHJIM NORA 【アンダー1.5万円評価軸】

TANCHJIM NORAは、派手な低音や刺激的な高音で分かりやすくインパクトを出すイヤホンではなく、ニュートラルなバランスと自然なボーカル表現でじっくり聴かせてくれる1DDイヤホンです。
特に中音域の完成度が高く、女性ボーカルやJ-POP、アニソン、アコースティック系の楽曲では、声の輪郭や息遣い、楽曲全体の見通しの良さをしっかり楽しめます。低音や高音も過度に主張しすぎず、長時間聴いても疲れにくい上品なサウンドに仕上がっていると感じました。
また、サファイアガラスを使用した美しいデザインや軽量で快適な装着感、3.5mm / 4.4mm交換式プラグ対応ケーブルが標準で付属する点も大きな魅力です。リケーブルを前提にしなくても、付属品のままで十分完成度の高い環境を楽しめるのはかなり好印象でした。
強烈な重低音や派手なドンシャリサウンドを求める人には少しおとなしめに感じるかもしれませんが、癖の少ない自然な音、ボーカルの聴きやすさ、長く使える完成度の高さを重視する人にはかなりおすすめできる一本です。
アンダー1.5万円クラスで、音質・デザイン・付属品のバランスが良い有線イヤホンを探しているなら、TANCHJIM NORAはかなり有力な選択肢になると思います。




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