USB Type-Cで映像出力と給電できるミニPC7選!買う前の注意点もチェック!

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デスクの上をケーブル1本でスマートにしたい。モニターへの映像出力も、PC本体への給電も、それで済ませば最高ですよね。USB Type-Cの進化のおかげで、そんな理想はもう夢じゃありません

最近では、ミニPCとスマートグラスをType-Cケーブル1本でつなぎ、モニターレスで作業するなんて未来的なスタイルも登場しています。

ただ、便利なはずのUSB Type-Cですが、実は落とし穴も。製品によってできることが違ったり、誤解しやすい言葉のせいで、慎重な製品選びをしなければなりません

そこでこの記事では、USB Type-Cポート1つで映像出力とPD(Power Delivery)による給電の両方に対応するミニPCに絞って徹底調査していきます。

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モデル名商品リンクCPU性能Type-Cポート仕様PD入力要件際立った特徴

MINISFORUM UN1290W
          
Amazon
★★★★★
(プロ級)
USB 3.2 Gen2 (DP+PD入力)100W以上Core i9搭載の最高峰パフォーマンス

MSI Cubi NUC 1M-042JP
Amazon ★★★★☆
(高性能)
Thunderbolt 4対応 (ワット数不明)Thunderboltによる絶対的な信頼性と簡便性

BMAX B4 Turbo
Amazon ★★☆☆☆
(エントリー)
フル機能USB-C対応 (ワット数不明)優れたコストパフォーマンス、ストレージ増設可

SkyBarium N1 Pro
Amazon ★★☆☆☆
(エントリー)
フル機能USB-C対応 (ワット数不明)超小型筐体、デュアル2.5G LAN

BOSGAME E3
Amazon ★★☆☆☆
(エントリー)
フル機能USB-C対応 (ワット数不明)標準的で癖のない仕様

GMKtec G9
Amazon ★★☆☆☆
(エントリー)
フル機能USB-C対応 (ワット数不明)NAS特化、M.2スロット×4、デュアル2.5G LAN

MINISFORUM UN150P
Amazon ★★☆☆☆
(エントリー)
USB-C (DP+PD出力のみ)非対応(警告事例) ケーブル1本での駆動は不可

Type-Cポートがあっても映像出力できるとは限らないから注意

この話で一番大事なのは、「USB Type-C」という言葉が実にややこしいってことです。同じ見た目のポートでも、できることが違います。

USB Type-Cコネクタ

まず、大前提。USB Type-Cは、あくまで「コネクタの形」の名前です。裏表なく挿せるのは最高に便利。でも、この形だからといって、映像が出たり、大きな電力を送れたりするとはかぎりません。

DisplayPort Alternate Mode (DP Alt Mode)

じゃあ、どうして映像が出力できるのか? そのカギを握るのが「DisplayPort Alternate Mode(DP Alt Mode)」。この規格に対応したポートは、モニターに映像信号を送る役割を担ってくれます。

USB Power Delivery (USB PD)

電源担当の「USB Power Delivery(USB PD)」です。スマホの充電はもちろん、モニターやミニPC本体まで動かせるパワフルな給電規格。ただし、このパワーを活かすにはPC、ケーブル、電源(モニターやACアダプタ)が必須になります。

Thunderbolt™ (3, 4, 5)

「データ転送も映像出力も給電も、全部やりたい!」に応えるのが「Thunderbolt」。これまで話した機能を全部まとめて保証してくれる全部入り規格。

Thunderbolt 3や4なら、高速なデータ転送、複数の高解像度ディスプレイ出力、そしてUSB PDでの給電がケーブル1本で実現。これから登場するThunderbolt 5では、さらにパワフルな最大240Wの給電が予定されています。

今回ご紹介する製品は、「映像出力と電源供給に対応したType-C」を搭載したミニPCです。
ということでUSB Power Delivery (USB PD)以上の性能をもったミニPCたちを集めてみました。

買う前に絶対に確認して!隠れた落とし穴

「PD対応」の罠。Type-CミニPC選びで絶対に失敗しないための2つの鉄則

市場には誤解を招きやすい情報が溢れているので、購入前に絶対に知っておくべき2つのポイントがあります。

第一に、「PD対応」という言葉の曖昧さです。

一番注意すべきは、そのPCがUSB-Cポートから電力をもらえる側(PD入力)なのか、スマホなどに電力をあげる側(PD出力)なのか、という決定的な違いです。

たとえば、MINISFORUM社の「UN1290W」は、PC本体を動かすための100W以上のPD入力を明確にサポートしています。一方で、同じブランドの「UN150P」も「PD対応」と書かれていますが、よく見るとこれは周辺機器への15W出力のこと。PC本体は専用のDCアダプタでしか動きません。この違いを見抜けないと、あなたの「ケーブル1本」環境は夢と消えます。

第二に、規格に準拠しない危険なType-C電源の存在です。

本来のUSB PD規格は、機器同士が「どのくらいの電気が必要?」と会話して、最適な電圧(5V, 9V, 20Vなど)を安全にやりとりする賢い仕組みです。

しかし一部の安価なミニPCに付属するACアダプタには、この会話をすっ飛ばし、Type-Cの形をしただけで一方的に固定電圧(12Vや19Vなど)を流し込む独自仕様のものがあります。

もし、この規格外のアダプタを間違ってスマホなどに接続すれば、過電圧で機器が深刻なダメージを受ける危険性があります。安全のためにも、PCが「USB PD規格準拠」と明記しているか、必ず確認しましょう。

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【高性能】Type-C映像出力のミニPC

MINISFORUM UN1290W

MINISFORUM UN1290Wは、コンパクトな筐体にデスクトップクラスの性能を凝縮した、まさに「小さな巨人」と呼ぶにふさわしいモデルです。

CPUIntel Core i9-12900HK (14コア [6P+8E], 20スレッド, 最大5.0 GHz)
グラフィックスIntel Iris Xe Graphics
メモリ32GB DDR4-3200 (最大64GB, 2スロット)
ストレージ (プライマリ)1TB M.2 2280 PCIe 4.0 SSD
ストレージ (増設)2.5インチSATAベイ ×1 (厚さ7mmまで)
Type-CポートUSB 3.2 Gen2 ×1 (背面) – 4K@60Hz映像出力 (DP Alt Mode) 及び USB PD入力に対応
その他映像出力HDMI 2.0 ×1, DisplayPort 1.4 ×1
ポートUSB 3.2 Gen2 Type-A ×2 (前面), USB 2.0 ×2 (背面), 3.5mmオーディオジャック ×1
スペックをもっと見る
PD入力要件100W以上を推奨
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク2.5G LAN ×1, Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.2
本体サイズ127.5×127×54.7 mm
本体重量約543 g
OSWindows 11 Pro
VESAマウント対応 (75mm & 100mm)
電源専用DC入力ポート + USB-C PD入力

UN1290Wは、その心臓部にノートPC向けCPUとしては最高峰に位置するIntel Core i9-12900HKを搭載しています。14コア20スレッドという圧倒的なマルチスレッド性能は、単なるウェブブラウジングやオフィスワークにはオーバースペックであり、動画編集、3Dレンダリング、仮想マシンの実行といった、高い計算能力を要求されるプロフェッショナルな作業のために設計されています。

本レポートの要件を満たす上で鍵となるのが、背面に配置されたUSB-Cポートです。このポートは、4K@60Hzの映像出力(DP Alt Mode)と、PC本体を駆動させるためのUSB PD電力入力の両方に対応する、真の多機能ポートです。これにより、対応するモニターと組み合わせることで、「ケーブル1本」の理想的なセットアップが実現可能です。

しかし、この高性能には代償が伴います。UN1290Wの強力なCPUは相応の電力を消費するため、メーカーは**100W以上の出力を持つUSB PD電源**の使用を強く推奨しています。これは非常に重要なポイントです。一般的なUSB PD対応モニターや充電器の多くは、60Wや65Wが出力の上限であり、これらは一般的なノートPCには十分でも、UN1290Wのような高性能マシンを安定して駆動させるには力不足です。もし電力供給が不十分な場合、システムの不安定化、突然のシャットダウン、あるいはCPU性能が大幅に制限されるスロットリングが発生し、高価なCore i9プロセッサの性能を全く引き出せないという事態に陥りかねません。したがって、UN1290Wの購入を検討するユーザーは、PC本体の価格に加えて、100W以上のPD給電能力を持つ高価なモニターや、別途高性能なGaN(窒化ガリウム)充電器のコストも「暗黙のコスト」として予算に含める必要があります。

これらの点を理解した上で選択すれば、UN1290Wは2.5G LANポートや最新のWi-Fi 6Eといった優れた接続性も備えており、最高のパフォーマンスと整理されたデスク環境の両方を求めるプロフェッショナルにとって、極めて強力な選択肢となります。

MSI Cubi NUC 1M-042JP

MSI Cubi NUC 1M-042JPは、ケーブル1本での接続性において、現時点での「黄金律」とも言えるソリューションを提供するモデルです。

CPUCore i7-3820QM
グラフィックス‎Intel Graphics
メモリ16GB
ストレージ (プライマリ)512GB
ストレージ (増設)空きスロットなし(2スロット合計最大64GB)
Type-CポートThunderbolt 4 ×2
その他映像出力HDMI 2.1 ×2(3,840 × 2,160 / 60Hz)
ポートフロント
USB 3.2 Gen2 Type-A ×2
オーディオコンボジャック ×1
micro SDカードリーダー ×1リア
USB 3.2 Gen1 Type-A ×2
Thunderbolt™ 4 ×1
Thunderbolt™ 4(電源入力対応) ×1
有線LANポート ×2
HDMI 2.1 ×2
スペックをもっと見る
PD入力要件対応 (ワット数不明)
最大ディスプレイ数4画面
ネットワーク有線LAN
インテル® イーサネット・コネクション I226-V ×2(10/100/1000Mbps/2.5Gbps)
無線LAN
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.3
本体サイズ135.6 × 132.5 × 50.1(mm)
本体重量約0.63kg
OSWindows 11 Pro
VESAマウント対応 (75mm & 100mm)
電源USB-C PD入力 (Thunderbolt 4経由)

このモデルに関する詳細なスペック情報は限られていますが、最も重要な情報、すなわちThunderbolt 4ポートを2基搭載しているという事実が、このPCの価値を決定づけています。

これは単なる機能の一つではなく、「保証」です。Thunderbolt 4規格は、高解像度の映像出力、40Gbpsの高速データ転送、そしてUSB Power Deliveryを包含することが認証要件として義務付けられています。したがって、このPCの購入者は、「DP Alt Modeに対応しているか」「PDのバージョンは何か」といった細かな仕様を確認する煩わしさから解放されます。Thunderboltのロゴそのものが、これらの高度な機能がすべて利用可能であることを証明しているのです。

この事実は、購入者にとって大きな意味を持ちます。市場には様々な規格のUSB-Cポートが混在し、マーケティングも曖昧なため、消費者は混乱しがちです。しかし、Thunderbolt 4の認証プロセスは、厳格な最小要件を課すことで、その混乱に終止符を打ちます。MSI Cubi NUC 1M-042JPは、この認証を得ることで、他の多くのモデルが持ち得ない「接続すれば必ず機能する」という安心感を提供します。151,600円という高価な価格設定は、単に内部のハードウェアだけでなく、この保証された相互運用性とパフォーマンスに対する対価でもあるのです。これは、より標準的なUSB-Cポートに依存するUN1290Wのようなモデルに対する、本機の明確な価値提案と言えます。

結論として、MSI Cubi NUC 1M-042JPは、価格よりも妥協のないシームレスな体験を最優先し、Thunderboltドックや高性能PDモニターといったエコシステムへ投資する意欲のあるプロフェッショナルやプロシューマーに最適な選択肢です。「予算が許すならば、安心して選べる一台」として位置づけられます。

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メインストリーム、バジェット、および特殊用途向けミニPC

このセクションでは、価格、性能、機能のバランスが主な検討事項となる、より幅広い製品群を探求します。これらは、ホームオフィス、一般的な生産性向上、そしてニッチな用途に適したモデルです。

MINISFORUM UN150P (注意点アリ)

MINISFORUM UN150Pは、省電力なIntel N150プロセッサを搭載した最新の低価格帯ミニPCです。その価格帯においては、3画面出力や2.5G LANポートなど、豊富な機能がありコスパに優れたミニPCです。

CPUIntel Processor N150 (4コア, 4スレッド, 最大3.6 GHz)
グラフィックスIntel UHD Graphics
メモリ16GB DDR4-3200 (1スロット, シングルチャネル)
ストレージ (プライマリ)512GB M.2 2280 SATA/PCIe SSD
ストレージ (増設)2.5インチSATAベイ ×1, MicroSDカードスロット ×1
Type-CポートUSB 3.2 Gen1 ×1 – 4K@60Hz映像出力 (DP Alt Mode) 及び 15W PD出力に対応
その他映像出力HDMI 2.1 TMDS ×2
その他ポートUSB-A ×4 (Gen1 ×2, Gen2 ×2), 3.5mmオーディオジャック ×1
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PD入力要件非対応
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク2.5G LAN ×1, Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2
本体サイズ約127.5×112.5×39.9 mm
本体重量約350 g
OSWindows 11
VESAマウント対応
電源専用12V/3A DC入力ポートのみ

UN150Pは、そのUSB-Cポートが映像出力に対応し、かつ「PD」機能を持つと宣伝されています。しかし、公式サイトの仕様やFAQを深く掘り下げると、このPD機能は**15Wの電力出力(Power Delivery Output)専用であることが明らかになります。つまり、このポートを使ってスマートフォンなどを充電することはできますが、PC本体をこのポートから給電することはできません**。本体の駆動には、付属の専用12V/3AのDCアダプタが必須です。

この事例は、競争の激しい低価格帯PC市場において、メーカーがいかに曖昧な表現を用いて、製品が実際には持っていない機能を消費者に暗示させようとするかを示しています。「USB-C PD対応」というキーワードで検索したユーザーがこの製品を見つけ、仕様の細部を確認することなく購入してしまえば、期待していたケーブル1本の環境が構築できず、不満を抱くことになります。このモデルを本レポートに含め、ユーザーの本来の要求(PD入力)を満たさないことを明確に指摘することは、読者が誤った購入を避けるための不可欠な情報提供です。これは、PD対応を謳う製品であっても、電力の方向(入力か出力か)とワット数を必ず確認する必要があるという、本レポートの核心的な教訓を具体的に示すものです。

BMAX B4 Turbo

CPUIntel Processor N150
グラフィックスIntel UHD Graphics
メモリ16GB DDR4
ストレージ (プライマリ)512GB M.2 2280 SATA SSD
ストレージ (増設)対応 (2.5インチベイなど)
Type-CポートUSB Type-C (映像出力、PD入力対応)
その他映像出力HDMI×2
その他ポート【不明】
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PD入力要件【不明】
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク有線LAN
無線LAN Wi-Fi 5
Bluetooth 5.0
本体サイズ125mm(L)×112mm(W)×44mm(H)mm
本体重量300g
OSWindows 11
VESAマウント対応
電源専用DC入力ポート + USB-C PD入力

BMAX B4 Turboは、映像出力とPD給電の両方に対応する「フル機能」のUSB Type-Cポートを搭載していると明記されており、予算を最優先するユーザーにとって強力な候補となります。しかし、その低価格を実現するためにはいくつかのトレードオフが存在します。最も顕著なのは、プライマリストレージに高速なNVMe SSDではなく、より安価で低速なM.2 SATA SSDを採用している点です。日常的なウェブブラウジングや文書作成では体感差は少ないかもしれませんが、大容量のアプリケーションの起動やファイルの読み書きでは、NVMe搭載機に比べて遅れを感じる可能性があります。また、天板に描かれた大きなロゴやイラストはデザインの好みが分かれる点であり、主観的ながら選択の要因となり得ます。

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SkyBarium N1 Pro

SkyBarium N1 Proは、設置面積の最小化を至上命題とするユーザーに向けた、超小型モデルです。

CPUIntel Processor N150 または同等品
グラフィックスIntel UHD Graphics
メモリ16GB DDR4
ストレージ (プライマリ)512GB M.2 SSD(256GBモデルもあり)
ストレージ (増設)非対応
Type-Cポートフル機能USB Type-C (映像出力、PD入力対応)
その他映像出力HDMI, DisplayPort
その他ポートUSB3.2×3
3.5mmオーディオポート
DCポート
スペックをもっと見る
PD入力要件【不明】
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク2.5G LAN ×2
Wi-fi 5(802.11ac)
本体サイズ89×89×41.5 mm
本体重量【不明】
OSWindows 11
VESAマウント【不明】
電源専用DC入力ポート + USB-C PD入力

このモデルの最大のセールスポイントは、その89×89×41.5 mmという驚異的なコンパクトさです。しかし、この小さな筐体を実現するために、内部ストレージの増設能力が完全に犠牲になっています。これは、将来的なデータ量の増加に対応できないことを意味し、購入前に自身の用途を慎重に見極める必要があります。一方で、このサイズのPCとしては異例とも言える2.5Gのイーサネットポートを2基搭載している点は特筆に値します。この特徴により、単なるデスクトップPCとしてだけでなく、高性能な小型ルーターや、特定のネットワークタスクを実行する専用アプライアンスとしての活用も視野に入ります。デスク上の存在感を極限まで消したいユーザーにとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。

BOSGAME E3

CPUIntel Processor N150 または同等品
グラフィックスIntel UHD Graphics
メモリ16GB DDR4
ストレージ (プライマリ)512GB M.2 SSD
ストレージ (増設)非対応
Type-Cポートフル機能USB Type-C (映像出力、PD入力対応)
その他映像出力HDMIなど
その他ポートUSB-A 3.2 10Gbps×2
USB-A 3.2 5Gbps×2
3.5mm オーディオポート
スペックをもっと見る
PD入力要件【不明】
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク有線LAN
Wi-Fi5
Bluetooth5.0
本体サイズ126×112×41mm
本体重量【不明】
OSWindows 11
VESAマウント【不明】
電源専用DC入力ポート + USB-C PD入力

BOSGAME E3は、フル機能のUSB Type-Cポートを搭載し、ケーブル1本での運用が可能です。しかし、SkyBarium N1 Proと同様に、ストレージの増設に対応していません。この点が、2.5インチベイを持つBMAX B4 Turboなどと比較した場合の明確な弱点となります。特別な付加価値や際立った特徴を持つわけではありませんが、基本的な要件を満たし、将来的にストレージを増やす必要がないと確信しているユーザーにとっては、飾り気のない実直な選択肢と言えるでしょう。

GMKtec G9

GMKtec G9は、本レポートの技術要件を満たしつつも、その設計思想において他のモデルとは一線を画す、特殊な製品です。

CPU‎Intel Twin Lake-N150
グラフィックスIntel UHD Graphics
メモリ12GB
ストレージ (プライマリ)64GB
ストレージ (増設)M.2 SSDスロット 合計4基
Type-Cポートフル機能USB Type-C (映像出力、PD入力対応)
その他映像出力HDMI×2
その他ポート有線LAN×2
USB-A×3
3.5mmオーディオポート
Type-Cポート(充電のみ)
スペックをもっと見る
PD入力要件【不明】
最大ディスプレイ数3画面
ネットワーク2.5G LAN ×2
Wi-Fi6
‎Bluetooth
本体サイズ【不明】
本体重量【不明】
OSUbuntu, Windows 11 Pro
VESAマウント対応
電源専用DC入力ポート + USB-C PD入力

GMKtec G9は、その本質においてNAS(Network Attached Storage)としての使用を前提に設計されています。最大の特徴は、M.2 SSDを4基も搭載できる点にあり、これによりユーザーは高速なストレージアレイ(RAIDなど)を構築することが可能です。また、24時間365日の連続稼働を想定し、大型のヒートシンクと2つのファンからなる強力な冷却システムを備えています。

このモデルは、一般的なデスクトップ利用者を対象としたものではなく、自宅や小規模オフィスで高性能なファイルサーバー、メディアサーバー、あるいは開発環境を構築したいと考える技術愛好家向けの製品です。UbuntuとWindowsのデュアルOSがプリインストールされている点も、その専門性の高さを物語っています。ケーブル1本でモニターに接続し、必要に応じてデスクトップPCとしても利用できるコンパクトなホームサーバーを求めているユーザーにとって、これほど魅力的な選択肢は他にないでしょう。

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こんな人にはこのミニPCがおすすめ!

パワーユーザーおよびプロフェッショナル向け

最高の性能と信頼性を求めるなら、選択肢は2つに絞られます。予算に上限がなく、接続の簡便性と絶対的な信頼性を最優先するならば、Thunderbolt 4を搭載したMSI Cubi NUC 1M-042JPが最適です。面倒な仕様確認から解放され、「接続すれば機能する」という安心感は何物にも代えがたい価値があります。一方、最高のCPU処理能力を求めるならば、Core i9を搭載したMINISFORUM UN1290Wが推奨されます。ただし、100W以上のPD電源を確保できる環境にあること、あるいはそのための追加投資を厭わないことが絶対条件です。

一般的なホームおよびオフィスユーザー向け

実用性とコストパフォーマンスのバランスが重要です。このカテゴリでは、日本国内でのサポートの安心感と、一般的なPDモニターで利用できる65Wという実用的な電力要件から、mouse computerのPD対応モデルが多くのユーザーにとって最もバランスの取れた選択肢となるでしょう。ただし、購入前には必ず製品ページでPD入力への対応を個別に確認する必要があります。とにかくコストを抑えたい、しかしケーブル1本の利便性は譲れないというユーザーには、BMAX B4 Turboが最適です。ストレージ増設も可能で、将来性も確保されています。

コンパクトなセットアップを追求するユーザー向け

デスク上の専有面積を最小限にしたいという明確な目的があるなら、SkyBarium N1 Proが唯一無二の選択肢です。ストレージが増設できないという大きな制約を受け入れられるかが判断の分かれ目となります。

ネットワークおよびストレージの専門家・愛好家向け

このカテゴリのユーザーには、専門的なツールであるGMKtec G9を推奨します。これは一般的なミニPCではなく、コンパクトで高性能なNASを自作したい、あるいは多目的なホームサーバーを構築したいというニッチな需要に完璧に応える製品です。

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Type-C給電と映像出力に対応したミニPCまとめ

ここまで見てきたように、「USB Type-Cケーブル1本」で完結するスマートなデスク環境は、もうすぐそこにあります。しかし、その実現には「すべてのUSB-Cポートが同じではない」ということを理解することがスタートラインです。

だからこそ、僕らが製品を選ぶときは、呪文のようにこの2つを唱える必要があります。**「本当にPC本体がPD入力に対応しているか?」そして「何ワットの電力が必要か?」**とね。

MINISFORUM UN150Pの例もあったように、メーカーの「PD対応」という言葉と実際の機能が違うことは珍しくありません。ラベルだけを信じず、自分の目で仕様を確かめることが何より大切です。

現時点で一番シンプルで確実なのは、やはりThunderbolt 4搭載機を選ぶこと。でも、仕様さえしっかり読めば、もっと手頃なモデルでも満足のいく環境は作れます。

将来的には、Thunderbolt 5やUSB4の普及で、この混乱はきっと解消されていくはずです。

でも、僕らが今いるのは、その過渡期。だからこそ、こうした情報を武器に賢く製品を選ぶことが、理想のデスク環境を手に入れるための、今一番確実なルートなんです。

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