【レビュー】CCZ CZ10 天工輪 金属ボディーにギアデザインの1DD+4BAイヤホン!

皆さんこんにちは。雪餅ゆきっちです。今回は、私が度々レビューさせていただいているCCZさんから発売された「CCZ CZ10 天工輪」をレビューしていきたいと思います。
なお、今回は引き続き、KeepHiFi.JP様(https://x.com/KeephifiO)より商品をご提供頂きました。また、今回のレビュー記事に関して、製品提供以外の金銭の授受や内容に関する指示などは一切ございません。レビュー記事の内容に関しては、完全に私が感じたままの印象をレビューしています。

CCZさんが多ドライバーイヤホンを出すのは珍しい気がする!!
CCZ CZ10 天工輪のレビューまとめ!


- CCZとしては珍しい1DD+4BAのマルチドライバー構成
- 周波数バランスが非常に良く、埋もれる帯域がない
- こだわりのフェイスプレートデザイン
- 亜鉛合金製の金属筐体のため、重量が重め
まずはCCZ CZ10 天工輪のカタログスペックを見ていこう!












| 製品名 | CCZ CZ10 天工輪 |
| ドライバー構成 | 1DD+4BA |
| ドライバー詳細 | 10mm 二重磁気PET振動版ダイナミックドライバ 中音域用BA×2、高音域用BA×2 |
| インピーダンス | 16Ω±15%@1kHz |
| 感度 | 102㏈±3㏈/mW@1kHz |
| 応答周波数 | 20Hz~20kHz |
| 付属ケーブル | 3.5mm端子 5N無酸素銅銀メッキ線 |
| イヤホン本体端子 | QDCタイプ |
| 定価 | 8,899円 |
CCZ CZ10 天工輪のドライバー構成は1DD+4BAとなっており、1DD構成の多かった近年のCCZとしてはかなり珍しい多ドライバーハイブリッドイヤホンになっています。ドライバーの詳細についてはDDに10mm 二重磁気PET振動版ダイナミックドライバーを採用しており、ここは、CCZがメジャーに採用しているドライバーと同様のものが採用されているようです。
BAに関しては残念ながらBAの型番は非公開となっていますが、中音域用BAを2つ、高域用BAを2つ投資アしているようですね。中華メーカーが多く搭載するノズル内BAに関しては、商品説明ページの画像からもわかるように採用されていないようです。CCZ CZ10 天工輪は試聴時に高域に刺さりなどはほとんど感じなかったのでここは個人的に好感が持てるポイントです。
CCZ CZ10 天工輪をいざ開封!




いよいよ箱を開封していきます!!今回の箱は縦130mm横100mm、奥行き40mmほどと普段のCCZ製品によくあるコンパクトなパッケージではなく、少し大ぶりなパッケージサイズとなっています!余計に今回のCCZ CZ10への気合の入りようがわかりますね!!


パッケージを開封してカードを取り出すといよいよイヤホン本体とご対面です!!うおおおお激熱!!


パッケージ内容は、説明書に合格証、S、M、Lの高品質な「CCZ ZT01」イヤーピースにイヤホン本体、3.5mm 銀メッキケーブルでいつものCCZ…と言いたいところですが、今回はほんのちょっと違いました!!CCAがよく採用している銀メッキケーブルでも若干仕様が変更されているようで、ケーブルに細かいブルーとレッドの点々がちりばめられているデザインになっていました!ケーブルのデザイン自体は前回レビューした「CCA March」に付属されていたケーブルと酷似していますが、よく見るとケーブルの端子形状とイヤホン本体の端子形状がいつものCCZではありません!!!なんとなんとCCZが今まで採用していた「TFZ 2pin」タイプからKZやTRNなどの多くの中華メーカーの採用している「QDC 2pin」に変更されています!!ここはかなーり人によって評価が分かれそうなポイントです。
CCZ CZ10 天工輪の本体デザインは?




CCZ CZ10 天工輪のデザインは、様々なデザインのイヤホンが登場している2025年の昨今でも非常に個性的なギアデザイン、メカニカル調のデザインを採用しています。プラ?アクリル?ガラス?かはちょっとわかりませんでしたが、フェイスプレートに空いた小窓から歯車デザインが見えるようになっており、筐体素材には、軽量なアルミではなく、比重が高く剛性に優れた亜鉛合金を採用しています。 手に持った瞬間に伝わるずしりとした質量感と、金属特有の冷ややかな触感。(冬にはヒヤッとしますが…w)この物理的な重さが、不要な共振を徹底的に抑制し、分析的な寒色サウンドを生み出している要因の一つといえるでしょう。一方で、片耳でも10gを超える重量のため、イヤーピースとの相性によっては装着感に難を覚える方もいらっしゃるように感じました。ベント孔に関しては、表には空いておらず、内側に2つ空いているのみで音漏れはほとんどありませんでした。




CCZ CZ10 天工輪のノズル径は、最も太い返しの部分でφ6.1mm、溝の部分でφ5.25mmとなっていました。きわめて標準的なノズル径のため、装着できないイヤーピースなどはほとんどないでしょう。返しもしっかりあるため、脱着時にイヤーピースが外れてしまうこともなく、非常に快適です。
CCZ CZ10 天工輪の音質をレビュー!
それでは、実際に聴いてみた音質のレビューです。 本機はPET振動板の10mm二重磁気ダイナミックドライバーに加え、中音域用と高域用に分かれた4基のBA(バランスドアーマチュア)を搭載したハイブリッド構成となっています。


🎧 特徴チャート
📊 周波数バランス
全体的な音質傾向
一言で言えば、「硬質(ソリッド)で寒色系のW字バランス」です。 CCZらしい低域の量感はありますが、それ以上に亜鉛合金(Zinc Alloy)の金属筐体による「響きを抑え込んだデッドな音」が支配的です。2kHz〜3kHz付近が大きく持ち上がっており、これがエネルギッシュかつ鋭利なアタック感を生んでいます。暖かみや癒やしよりも「解像度と分離感」を最優先した、非常にストイックで硬派なチューニングです。そのため、やや聴き疲れもしやすいチューニングに感じました。
低音域
ミッドベース(中低音)を中心に、2重磁気振動版の深みのある低音域を感じます。20Hz〜100Hzあたりが低域のピークで物理的な量感は十分ですが、ボワつきや余計な膨らみが一切なく、パンチ力がありながらも極めてタイトに締まった低音域に仕上がっています。スピード感が非常に速いため、高速なバスドラムもつぶれずに鳴らし切ります。
中音域、ボーカル域
基本はV字あるいはW字傾向で、音色は明確に「ドライ(寒色系)」です。 2kHz〜4kHzにかけて顕著なピークがを感じ、女性ボーカルは埋もれずにクッキリと浮かび上がりますが、艶やウォームな余韻はあまり感じません。女性ボーカル・男性ボーカル共に、感情に訴えるというよりは、口元の動きが見えるような淡々とした鳴り方をします。風通しは抜群に良く、籠もりとは無縁のクリアさですが、ぬくもりも感じられるような暖色系の音ではないと感じました。
高音域
非常に明瞭で、亜鉛合金製の金属筐体もあってか金属的な輝きを伴う伸びの良さがあります。「自然」というよりは「高解像度な硬さのある音」が際立っており、シンバルやハイハットの打音がスパッと切れ込むような鋭さを持っています。刺さりなどは全く感じず、丁寧に調整されているように感じますが、EST(MST)のような粒上の滑らかさのある高音域とは対極にあるBA特有の高音域で、情報量の多い楽曲ではその高音域が聴き疲れの要因にもなりそうに感じます。
再生環境とリケーブルについて
このイヤホンは金属筐体と4BAの「固さ」が特徴であるため、再生環境やケーブル、イヤーピース選びが重要です。 フォームタイプのイヤーピースやシリコンタイプではFinalのType-Eイヤーピースが高域を落ち着かせるのに一役買うでしょう。リケーブルでは、高音域を強調する銀メッキや純銀タイプではなく、無酸素銅や単結晶銅タイプのケーブルが相性がいいように感じました。重ねてこのイヤホンは3.5mmのアンバランス接続ではなく、4.4mmのバランス接続のほうがドンシャリ傾向が増し、音場が広がるため、オススメです。
CCZ CZ10 天工輪のレビューまとめ!
このイヤホンは「解像度重視で金属のような『硬質でキレのある分析的な音』をストイックに求める人」におすすめなイヤホンだと感じました!!また、CCZの1万円台のフラッグシップ級イヤホンに挑戦してみたい人にもおすすめです!!



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