新生CCAからの新たな刺客「CCA Phoenix」をレビュー!CCA初!?のLCP振動版1DDの威力やいかに!

今回は、KZから独立したことで、イヤホンメーカーとして再出発を果たした CCA から前回の記事でレビューした「CCA Xyrra」とほぼ同時期に登場した「CCA Phoenix」(不死鳥)をレビューしていきたいと思います。
なお、今回は前回のCCA Xyrraに引き続き、今テクノーツでは初となる CCA HiFi様(https://x.com/CCAHiFi?s=20)より商品をご提供頂きました。また、今回のレビュー記事に関して、製品提供以外の金銭の授受や内容に関する指示などは一切ございません。レビュー記事の内容に関しては、忖度抜きの完全に私が感じたままの印象をレビューしています。
前回の CCA Xyrra のレビューに関してはこちら⇩

CCA Phoenix のレビューまとめ!
CCA Phoenix

まずは「CCA Phoenix」のカタログスペックを確認していこう!





| 項目 | スペック詳細 |
| 製品名 | CCA Phoenix |
| ドライバー構成 | 1DD |
| ドライバー構成詳細 | 10mm LCP振動板 2重磁気回路 1DD |
| インピーダンス | 33Ω |
| 感度 | 108dB/mW |
| 応答周波数 | 20Hz ~ 40kHz |
| 筐体素材 | 亜鉛合金ボディ + アルミ合金製音響チャンバー |
| ケーブル材質 | 高純度銀メッキ銅導体 4芯ケーブル |
| コネクタ | 0.78mm 2pin (フラットタイプ) |
| プラグ | 3.5mm (Type-C版も展開) |
| 価格 | 4,859円前後 (Amazon) |
注目すべきは、CCA としては初めて?だと思いますが、 10mm LCP(液晶ポリマー)振動板を採用したシングルダイナミック構成 です。新生CCAとして、従来の多ドラ構成やハイブリッドとは異なる、素材の応答速度と低歪みにこだわったニュートラルなサウンドを目指した意欲作となっています。
ちょっとした小話を挟みますが、CCAもといKZは、今まで他社メーカーに比べてダイナミックドライバー自体の振動版の素材に目を向けることは少なかった印象でした。逆にその振動版の素材に対してかなり目を向けていた印象なのが、KZやCCAの数あるライバルメーカーの中でも最大のライバルといえる TRN 社ですね。TRNの最近の製品では同じLCP振動版を採用していると大々的にアピールしていたのが、「TRN ORCA」や「TRN MT5」でしょう。LCP振動版ではありませんが、DLC振動版を採用した「TRN Conch」はかなり話題になったのが記憶に新しいかと思います。
オーディオオタク的な小話にはなりますが、工学的な常識として、振動板にとって理想的とされるのは「軽量であること」「剛性が高いこと(変形しにくい)」「内部損失が大きいこと(余計な振動がすぐ止まる)」の3点と言われています。
理想を言えば、これらを極めて高い次元で満たすベリリウムなどが最高なのですが、低価格帯の製品ではコストの制約が非常に厳しく、現実的には安価で加工しやすいPET振動板が用いられるのが一般的です。PETは量産性に優れる一方で、剛性が不足すると分割振動(たわみ)による音の歪みが発生しやすくなるという弱点も抱えています。
そんな中で、アンダー5,000円という価格帯でありながらLCPを採用してきたPhoenixは、まさに新生CCAの「音質に対する意地」を感じるポイントですね。LCPはPETよりも剛性が高く、かつ内部損失も大きいため、余計な付帯音のないクリアでハイスピードなサウンドを実現するのに一役買っています。こうした素材選びのこだわりが、実際の音にどう反映されているのか。いよいよ核心に迫っていきましょう!
CCA Phoenix をいざ開封!本体デザインは?



今回のパッケージはかなり大ぶりな大きさの箱になっています!内箱を引き出して扉型のパッケージを開けると、まずはフェニックス(不死鳥)の描かれたカードがご対面してくれます!カードを取り出すとそこには…

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
亜鉛合金製の重厚なハウジングが姿を現します。今までのCCAとは明らかに毛色の違う、非常に高いビルドクオリティーのボディーな印象です。手に持った瞬間に伝わる適度な質量感と、金属特有の冷ややかな触感。剛性の高い亜鉛合金ボディに、耐振動性に優れたアルミ合金製の音響チャンバーを組み合わせることで、不要な共振を徹底的に抑え込む設計になっているようです。
CCA Phoenix の付属品は?

付属品については、相変わらず必要最低限…と思いきや、この価格帯としてはかなり豪華な内容になっています!
パッケージ内容は、説明書にS、M、Lの3サイズのイヤーピース、イヤホン本体、そして銀メッキ仕様の4芯ケーブル。ここまではいつものCCAといった感じですが、今回はなんと「レザーポーチ」が最初から同梱されています!しかもこのレザーケースですが、かなりしっかりとした品質の良いものになっています!おまけ程度のものではなく、しっかりと気合の入ったものになっています!
アンダー5,000円クラスで、しっかりした質感のポーチが付いてくるのは素直に嬉しいポイントですね。
イヤーピースについては、前回レビューした CCA Xyrra のような白く柔らかいタイプではなく、従来のKZ/CCAでよく見かける「フジツボ」タイプの黒いシリコンイヤーピース…と言いたいところですが、CCAとして全く新しい前例のないシリコンのイヤーピースが採用されています! 適度な硬さと弾力、肉厚味を兼ね備えており、この価格帯のイヤホンの付属品としてはかなり良質なイヤーピースといえるのではないかと感じましたよ!いやー素晴らしいです!
また、付属ケーブルについても大きな変化がありました。 CCA Xyrra では高域の刺激を抑えるためにあえて無酸素銅(OFC)を採用していましたが、今回のPhoenixでは「高純度銀メッキ銅導体」の4芯ケーブルを付属させてきています。 さらにコネクタが従来のQDC(0.75mm)タイプからフラットな「0.78mm 2pin」に変更されたため、手持ちのケーブルでのリケーブルがよりスムーズに楽しめるようになっています!どうしちゃったんだ!新生 CCAさん!?(笑)
新生CCAとして、付属品の質(特にポーチとケーブル)を一段階引き上げてきたあたり、ブランドとしての気合いが伝わってきますね。この選択が音質にどう影響しているのか、詳しい理由は後ほどじっくり解説します。
CCA Phoenix の本体デザインは?

まず目を引くのが、高品質な亜鉛合金ボディと耐振動性に優れたアルミ合金製の音響チャンバーの組み合わせです。 従来のKZ/CCAの意匠とは一線を画す、シンプルかつ洗練されたデザインに仕上がっています。どこか SIMGOT などの製品を彷彿とさせるような、最近のトレンドを押さえたミニマルで高級感のある造形美が光りますね。Xyrra のような装飾的な彫り込みこそありませんが、金属の質感を前面に押し出したデザインは「新生CCA」の新しい方向性を強く感じさせます。
手に取ると金属筐体らしい適度な質量感があり、片耳10.9gと片耳5~6gあたりが多いイヤホンにおいては比較的重めの筐体となっています。意外にも重めの筐体ながら、装着感自体は良く驚きました。ただし、重量感自体は少し感じるため、長時間の装着になってくると鈍痛を訴える人がいるのではないかと感じました。
また、CCA Phoenix ではノズル部分にも一貫してアルミ合金素材が採用されています。 この価格帯ではコストカットのためにノズルが樹脂製になることも多いですが、先端までしっかりと金属製にすることで、耐久性を確保するとともに不要な共振を徹底的に抑え、クリアなサウンドを実現する設計になっています。 イヤーピースの固定力も高く、全体的なビルドクオリティはアンダー5,000円クラスを優に超えており、手にした瞬間に所有欲をしっかりと満たしてくれます。価格帯的、デザイン的にも近いものとしては、TRN Conch があげられるでしょう。個人的にはあちらよりも装着感は良好に感じましたね。
CCA Phoenix のノズル径は、CCA Xyrra 同様にきわめて標準的なサイズ感となっています。市販されている多くのイヤーピースと互換性があり、装着できないものはほとんどないでしょう。返しもしっかりと設けられているため、脱着時にイヤーピースが耳の中に残ってしまうような心配もなく、非常に快適に使用できます!
CCA Phoenix 視聴環境
・ケーブル 付属 銀メッキ銅ケーブル(3.5mm)、KBEAR 4989 (3.5mm)
CVJ Candy(4.4mm)、Zisin 326(4.4mm)、
・イヤーピース 付属のイヤーピース(Mサイズ)
・付属品 ・使用DAP/DAC New HiBy R6、iBasso DX170 ・SONY Xperia 5 IV(3.5mm 直挿し)

いよいよ CCA Phoenix の音質を聴いていく!
🎧 音質・特徴チャート
📊 周波数バランス
実際に New HiBy R6 などを使用して、付属品環境での音質を評価していきます
全体的な音質傾向
全体的な音質傾向 一言で表すと、CCA Phoenix の音質は、ハーマンターゲットカーブに準拠した、ニュートラルで極めて均整の取れたW字型の弱ドンシャリサウンドです。これまでのCCAらしい「エッジの立った派手な寒色」とは一線を画し、1DDならではの繋がりの良さと、若干の温かみを感じさせる自然な音像表現が特徴的。分析的に聴くよりも、音楽のディテールを滑らかに楽しむためのチューニングに仕上がっています。KZ特有の脳筋サウンド感は一切感じず、優等生サウンドといった印象が強いため、迫力や強力な個性を求める方には物足りなさを感じる方もいると思います。
低音域
LCP(液晶ポリマー)振動板らしい、レスポンスの速さと深い沈み込みを両立したカチッとしたタイトな低域です。ミッドベースを中心に締まりがあり、重低音のパワーも十分にありますが、決して他の帯域を邪魔せずボわつきなどは感じられません。派手なドコドコ感はありませんが、楽曲の土台を正確に支える質感の高い低音といえます。
中音域(ボーカル)
ボーカル域は癖のないニュートラルな傾向で、自然な厚みと存在感があります。特に女性ボーカルやピアノの中高域にかけて、非常に伸びやかで抜けが良いのが印象的ですね。サ行の刺さりなども丁寧に抑制されており、透明感のあるアーティストとの相性は抜群です。その一方で、ボーカルの温度感などはあまり感じず、線の細さを感じることがありました。
高音域
適度な煌めきがありつつも、耳に痛くない「聴きやすさ」を重視したバランスです。BAっを搭載したハイブリッド機のような直線的な鋭さは控えめですが、倍音成分を鮮やかに描写する能力は高く、シンバルや弦楽器の消え際まで非常に自然に表現してくれます。
音場と空間表現
音場は、若干狭めで特に奥行き方向に対して狭さを感じます。軽く横に広がったような音場表現に感じられ、全体的にコンパクトでまとまりを重視した空間づくりになっています。奥行きが浅いため立体感という点では少し平面的な印象を受ける瞬間がありますが、その分定位は正確です。
各ケーブル別組合せ別評価(今回はイヤピースはすべて付属品)
私の最近のお気に入り曲です。女性ボーカルを主としたベースミュージックの要素を巧みに取り入れた、エレクトロニック・ナンバーです。
特筆すべきは、サビ(ドロップ)で押し寄せるサブベースの量感と、それに埋もれないボーカルの分離感です。低域の解像度が低いイヤホンだと音が団子状になりやすい箇所ですが、本機で聴くと、地を這うような重低音のなかで WaMiさんの繊細な息遣いまでが鮮明に描き出されます。
静寂を感じさせるAメロから、感情が爆発するようなサビへのダイナミクスも鮮やかで、イヤホンの『音の立ち上がりの速さ』を測るリファレンス曲としても非常に優秀な一曲と言えるでしょう。
CCA Phoenix × 付属 銀メッキ無酸素銅銀メッキケーブル(3.5mm)× New Hiby R6

まずは、基本に立ち返って「標準の付属品」での組み合わせです。CCA Phoenix に付属しているのは、高純度の銀メッキ無酸素銅(OFC)を採用した4芯ケーブルとなっています。
先日の Xyrra では、高域の刺激をマイルドにするためにあえて銀メッキを避けた無酸素銅線を採用していましたが、今回の Phoenix は最初から銀メッキ線を投入してきました。工学的な視点であえて深読みすれば、これは「LCP振動板による高域のコントロールに絶対の自信がある」という新生CCAからのメッセージかもしれませんね。銀メッキ線は一般的に高域の伝送特性に優れますが、イヤホン側の制御が甘いと「刺さり」の原因にもなります。しかし、この Phoenix に関しては、その心配は無用でした。
実際に New HiBy R6 と組み合わせて聴いてみると、そのサウンドは驚くほどニュートラルで、見通しの良いクリアな世界が広がります。 Xyrra と Zisin 326 の組み合わせが「荒々しい野生のパワー」を解き放つようなスタイルだったのに対し、この Phoenix の標準構成は「均整の取れた大人のリスニングサウンド」を感じさせます。LCP振動板特有のレスポンスの速さが銀メッキケーブルによってさらに引き出され、立ち上がりの鋭い打楽器の音や、ピアノの繊細な減衰が非常にリアルに描写されます。
低域の締まりも良く、ボーカルは温かみを残しつつも非常にクリアに抜けていきます。New HiBy R6 の持つ高い解像度とニュートラルな特性が、Phoenix の「ハーマンターゲット準拠」の癖のないチューニングと見事にシンクロしている印象です。 音場については広大というわけではありませんが、一つ一つの楽器の定位が非常にカッチリとしており、奥行き感よりも左右への自然な広がりを感じます。高域のきらめきは十分に感じられるものの、サ行の刺さりなどは綺麗に抑制されており、不思議と聴き疲れはしません。
以前のCCAであれば「まずはリケーブルありき」で考えてしまうこともありましたが、この Phoenix に関しては、この付属の銀メッキ無酸素銅ケーブルとの組み合わせだけでも、十分に「新生CCAが目指す新しい音」を堪能できる完成度だと断言できるでしょう。
CCA Phoenix × Zisin 326(4.4mm、レビュー予定)× New HiBy R6

続いて、こちらも今後単体でのレビューを予定している「Zisin 326」との組み合わせを試していきます。 Zisinさんは主にケーブルを販売されているメーカーで、現時点ではAmazonでの取り扱いはなく、アリエクスプレスのみでの展開となっているようです。
この Zisin 326 ですが、中身がかなり面白いことになっています。あまり見かけないロジウムメッキプラグに、導体には「4Nの高純度無酸素銀箔線」を採用。 工学的な話をすると、一般的な銀メッキ線(銅の表面に銀を塗ったもの)とは構造からして別物です。99.99%の純銀を極薄のリボン状(箔)に加工して束ねた、非常に特殊な導体を採用しているのが最大の特徴ですね。
導体を円柱状ではなく平坦な箔状にすることで、表面積が劇的に広がっています。 電気信号、特に高域成分は導体の表面付近を流れる「表皮効果」という性質があるため、表面積が広い箔状導体は高周波伝送において圧倒的に有利です。 さらに56本もの箔を独立させて編み込むリッツ構造によって、電気回路における抵抗の並列接続と同じ原理でインピーダンスを極限まで抑え込んでいます。 これにより、20kHzを超える超高域の倍音成分の保持率が大幅に向上し、純銀特有の透明感を実現しているようです。
さて、この Zisin 326 を CCA Phoenix に組み合わせてみたところ、これがまた面白い変化を見せてくれました! 前回の Xyrra では「荒々しさがそのまま出てくる」という印象でしたが、1DD構成の Phoenix では、弱点とも感じていた音場の狭さが劇的に改善されます。 特に上下方向への自然な広がりが加わり、少し平面気味だった空間表現に立体的な奥行きが生まれます。
音質面では、LCP振動板の持つ滑らかな中高域に、銀箔線特有の「クリスタルな煌めき」が上乗せされるような感覚です。 Xyrra の時は聴き疲れしやすくなるほどの鋭さがありましたが、Phoenix の場合はもともと高域が丁寧にコントロールされているためか、刺さる一歩手前で踏みとどまり、非常に見通しの良い高解像度サウンドへと昇華されます。 低域もしっかりと締まり、1DDらしい繋がりの良さを維持したまま、全体的な情報量が一段階引き上げられたような「格上のイヤホン」を聴いているかのような錯覚に陥ります。
「新生CCA」が目指したニュートラルな音作りを、リケーブルというドーピングで究極まで高めたような、非常に満足度の高い組み合わせだと感じました。 もし Phoenix を手に入れて、さらなる透明感と広大な音場を求めるなら、この Zisin 326 は間違いなく「化ける」選択肢の一つになるでしょう。
⇩Zisin 326のアリエクスプレスの販売ページ
https://ja.aliexpress.com/item/1005009022544126.html
CCA Phoenix のレビューまとめ!
結論として、CCA Phoenix は「アンダー5,000円で、ビルドも音も一切の妥協を排した正統派の1DD機を求める人」にとって、最高の選択肢の一つです。
これまでのKZ/CCAが得意としていた「多ドラによる圧倒的な物量作戦」ではなく、10mm LCP(液晶ポリマー)振動板という素材の良さを引き出し、ハーマンターゲット準拠の丁寧な音作りへとシフトした点に、新生CCAとしての強い決意を感じました。
✨ こんな人にオススメ!
・ハーマンターゲット準拠の、自然でバランスの良い音を求めている人
・5,000円以下で最高レベルの金属筐体の質感を体感したい人
・長時間聴いても疲れない、滑らかでクリアなボーカルを楽しみたい人
・0.78mm 2pin 採用でリケーブルを存分に楽しみたい人
リケーブルすることで、弱点でもあった音場の狭さを補い、さらに見通しの良い高解像度サウンドへと化けるポテンシャルを秘めています。 「派手さ」よりも「質感」で勝負してきた、この新生CCAの野心作をぜひチェックしてみてください!



コメント